UAAG 2.0 — ユーザーエージェントアクセシビリティガイドライン
User Agent Accessibility Guidelines (UAAG) 2.0 は、ブラウザ、メディアプレーヤー、 支援技術など、ウェブコンテンツを取得・レンダリングするユーザーエージェントのアクセシビリティに関するガイドラインです。
UAAGとは
UAAGは、ウェブコンテンツをユーザーに届ける「ユーザーエージェント」に対するアクセシビリティガイドラインです。 ユーザーエージェントとは、ウェブコンテンツを取得し、レンダリングして、ユーザーとのインタラクションを可能にするソフトウェアを指します。
UAAGの対象者は、これらのユーザーエージェントの開発者です。 ブラウザやメディアプレーヤーを設計・開発する際に、障害のあるユーザーが利用できるよう配慮すべき基準を定めています。
W3Cアクセシビリティガイドラインの関係
ATAGはコンテンツ作成ツール、WCAGはコンテンツそのもの、UAAGはコンテンツを表示するブラウザ等に適用されます。 3つのガイドラインが連携してウェブ全体のアクセシビリティを実現します。
UAAGの5つの原則
UAAG 2.0 は、以下の5つの原則に基づいて構成されています。 WCAGの4原則に加えて、ユーザーエージェント固有の「プログラム的アクセス」と「仕様準拠」が追加されています。
知覚可能(Perceivable)
ユーザーエージェントは、コンテンツをユーザーが知覚できる形で提示しなければなりません。テキストのカスタマイズ、代替コンテンツの表示、字幕の提供などが含まれます。
操作可能(Operable)
ユーザーは、キーボード、マウス、音声入力など、さまざまな入力方法でユーザーエージェントを操作できなければなりません。キーボードナビゲーション、ポインタ操作、音声コマンドのサポートが含まれます。
理解可能(Understandable)
ユーザーエージェントのインターフェースは、予測可能で一貫性があり、ユーザーが理解しやすいものでなければなりません。設定の永続化、エラーの回避・修正支援が含まれます。
プログラム的にアクセス可能(Programmatic Access)
ユーザーエージェントは、支援技術がコンテンツとUIにプログラム的にアクセスできるよう、プラットフォームのアクセシビリティAPIを適切にサポートしなければなりません。
仕様・規約への準拠(Specifications and Conventions)
ユーザーエージェントは、HTML、CSS、ARIAなどのウェブ標準や、プラットフォームのアクセシビリティ規約に準拠しなければなりません。
ブラウザがサポートすべき主な機能
UAAGが求める、ユーザーエージェントが実装すべき主要なアクセシビリティ機能の一覧です。
| 機能 | 説明 |
|---|---|
| テキストサイズ変更 | ユーザーがフォントサイズを自由に拡大・縮小できる機能 |
| ハイコントラストモード | OSやブラウザレベルでの配色切り替え、強制カラーモードのサポート |
| キーボードナビゲーション | Tab、矢印キー、ショートカットキーによる完全なキーボード操作 |
| 支援技術連携 | スクリーンリーダーや拡大ソフトとの情報伝達(アクセシビリティAPI) |
| キャプション・字幕表示 | 動画コンテンツの字幕・キャプションの表示とカスタマイズ |
| アニメーション制御 | 自動再生する動画やアニメーションの一時停止・停止機能 |
| カスタムスタイルシート | ユーザー独自のCSSを適用してページの見た目をカスタマイズ |
| ポップアップ制御 | 不要なポップアップウィンドウの制御と通知管理 |
現在のステータス
UAAG 2.0 が正式勧告に至らなかった背景には、ブラウザベンダーのアクセシビリティ対応が 事実上の標準として進化してきたことがあります。 しかし、ガイドライン自体は依然として有効な参考資料であり、 ブラウザ以外のユーザーエージェント(メディアプレーヤー、電子書籍リーダーなど)の開発には特に有用です。
参考リンク
UAAGの意義
ウェブコンテンツがWCAGに適合していても、ブラウザやメディアプレーヤーがアクセシブルでなければ、 障害のあるユーザーはコンテンツを利用できません。 UAAGは、コンテンツと利用者をつなぐユーザーエージェントのアクセシビリティを確保するための重要なガイドラインです。